[お話を伺った方]
左から:企画・総務部 副長 佐藤 拓郎氏、常務取締役 技術統括本部長 兼 品質管理部長 山口 博氏、製造部 副長 笹原 義夫氏

工場の夜勤業務の解消が一番の目的
さらに記録作業の自動化で仕事の引き継ぎも容易に
焼成炉の管理システムとしてIoTを導入されました
工場の現場作業の負担軽減がIoT導入の一番の理由ですね。当社の主力商品である碍子は磁器製品ですので、成形した粘土を焼き固める焼成の工程は特に重要で、焼成炉の稼働状況を監視するために、3交代制で担当者が工場に常駐する必要がありました。稼働状況のチェック、制御盤に表示される炉内の空気やガスの発生量、温度といったデータを担当者が手書きでノートに写すという作業をこれまで続けて来ました。
一晩中寝ずに炉の様子をチェックする
そうです。焼成炉は24時間、夜間であっても稼働しているので、稼働状況をチェックするために、どうしても人を配置する必要がありました。そのため社員は定期的に夜勤をすることになるので、通常業務にも当然影響が及びます。こうした雇用環境を何とか改善したいという思いから、IoT導入に踏みきりました。
人材採用でも効果を期待
導入で期待している点は
やはり夜勤業務の解消ですね。
一晩中何度も制御盤の数値を目で確かめ手書きで記録する作業が自動化され、データとして蓄積されるので、若手にも仕事が引継ぎやすくなると思います。
またトラブルが発生した場合でも、現場に到着するまでに何が原因かをデータを基に推測することができるようになるので、素早い対応が可能になります。また、必要に応じて蓄積されたデータの検索が可能になり、製品の製造過程でのトレーサビリティ機能と情報分析力の向上も期待できます。
今回は焼成炉の管理にIoTを導入しましたが、今後データ監視が必要な他の製造工程でIoTを導入する際に、今回の経験を生かすことができるのではと期待しています。加えて夜間の業務がなくなり労働環境が改善されたことで、会社のイメージアップならびに人材採用特に新卒採用など人事面での効果も期待しています。
※掲載している内容、所属やお役職は取材を実施した2019年5月当時のものです。