[お話を伺った方]
左から:協同組合人吉木材工業団地 代表理事 谷川 龍男氏、池田 幸子氏
膨大な作業量に困窮
人吉木材工業団地さんの主な事業は
バイオマス発電の燃料用木材チップの生産が主な事業です。木材協会会員の方々である木材生産者が持ち込む原木を木材チップに加工し、鹿児島県の薩摩川内市にある中越パルプさんのバイオマス発電所の燃料として、全量販売しています。
導入前の課題
当組合では木材チップを生産するにあたり、木材の伐採地やその面積、樹種や数量を明記したバイオマス証明書を、間伐材用、一般木材用の2種類に分け発行しています。証明書は本来木材協会会員の方々が発行しなければならないものですが、普段の仕事が忙しくて、手間のかかる証明書づくりに時間が割けないという事情もあって、証明書発行の手続きがなかなか定着しませんでした。ただ木材の値付けの根拠がこの証明書なんですね。どういう種類の木材がどこから運ばれてきたのか、数量はどれくらいかといった、そうした品質の裏付けがあるので、現在の木材の値段になっている訳で、スーパーで売られている野菜でも最近は誰がつくったか分かるような表示がさ
れているのと同じことです。しかも木質バイオマス発電に関わる必須の書類です。それがどうしてもできなかった。ですので、組合の方で発行のお手伝いをすることになりました。とにかく地元の林業を活性化しようとの思いからこの組合が生まれたこともあり、「木材協会会員の方々さんが手が回らなければ、組合の方でやるしかないな」との思いで、発行作業を引き受けることになりました。ただ、本当にとても手に負えないほどの作業量でしたね。
以前はエクセルで作業をされていた
はい。エクセルだと作業量が多く、とても手間がかかっていました。この作業をなんとか効率化し、もっとスピーディーに処理できないかと考えていました。―導入前で一番苦労されていたことはいろんな作業がある中で、計算書や証明書の発行とかの作業に関わる時間がなかなか取れなくて、しかも大変時間がかかっていました。以前は搬入先からの書類が揃わなかったり、こちらが対応しきれないなど、事務作業が大変ひっ迫していました。私自身がそうした作業の負担で本来の仕事ができない状態でした。
3カ月の事務作業が1カ月に激減
導入効果
Salesforceを導入したことで、今までの約3カ月かかっていた作業が1カ月でできるようになりました。木材の規格毎の仕分け作業が、入力作業の自動化で格段に効率化が進み、原木の仕入れから数量の計算も未利用材か一般木材かを入力しておけば、伐採場所毎に自動的に仕分けできるような仕組みになっています。エクセルを使っていた時は手作業での入力作業がほとんどでしたが、Salesforceの導入でそれまでの手入力作業の多くが自動化された効果は大変大きいですね。