今回は 「Salesforce Wave Analytics」についてご紹介したいと思います。
「Salesforce Wave Analytics」とは、Salesforceの標準レポート、ダッシュボードを凌駕する分析プラットフォームであり、特に経営層などのビジネスの意思決定者には非常に有用なツールとなります。
ここでは、プレビュー環境の利用方法と、簡単ではありますが実データを入れたお試し方法についてご紹介したいと思います。
なお、Salesforce社が体験用に準備しているプレビュー環境は、モバイル版とPC版とありますが、今回は即お試し頂けるようにモバイル版をご紹介します。
なお、PC版をお試し頂きたい方は、以下サイト(英語)よりお試しください。
http://www.salesforce.com/analytics-playground/
【 概要編 】
[ 1 ] アプリのインストール
まずはお使いのデバイスにWave Analyticsアプリをインストールしてください。
iOS https://itunes.apple.com/jp/app/salesforce-analytics-cloud/id916982402?ls=1&mt=8
Android https://play.google.com/store/apps/details?id=com.salesforce.wave&hl=ja
[ 2 ] インストール後
ようこそ画面(図1)から画面案内に従い、トップページ(図2)まで進めます。
< 用語解説 >
ダッシュボード
→Salesforceのダッシュボードと同義です
レンズ
→Salesforceのレポート のようなものです
データセット
→Salesforceのレポートタイプにイメージが近いものであり、 レンズを構成するデータ郡となります
[ 3 ] ダッシュボードの操作
トップページにてお気付きになられた方もいると思いますが、Wave Analytics アプリにはデフォルトでサンプルデータおよびダッシュボードが準備されているため、インストール直後から仮想値による操作感を体感出来るのが嬉しいポイントです。
①どのダッシュボードでも結構ですので、タップしてみてください。
(画像は、Sales Rep at a Glance ダッシュボード)
②図3では、チーム全体での商談金額が表示されていますが、 図4のように、ある特定の人物にフォーカスすることで、 集計金額やグラフが即座に再集計されているのがお分かりになるかと思います。
③図5では、更にフォーカスするため、グラフの突出した部分を選択しました。
条件が変化し、再集計がなされます。
このように、ダッシュボード内にて条件を絞り、様々な視点や角度からの分析が可能であるのが、Wave Analyticsの最大の特徴ではないでしょうか。
【 作成編 】
Wave Analyticsの概要をご覧頂きましたが、自社のデータを入れてみるとどのように見えるのだろうと思われた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
その様な方向けに、デモ環境にデータを投入し、実際にレンズ(レポート)を作成することが可能となっているのが、当アプリの面白い点でもあります。
当機能は、前段で記載したPCサイト版にもありますが、こちらも今回はモバイル版のみご紹介します。
[ 1 ] 準備
①デモ環境に投入したいcsvファイルデータを準備します。準備の際は、以下内容にご留意ください。
・項目名は横(列)、データは縦(行)としてください
・1行目は項目名としてください
(このとき、日本語ですと読み込み時に誤変換の恐れがあるため、英字を推奨します)
・文字コードは UTF-8としてください
・通貨マーク($や¥など)がある場合は外して頂き、かつ、千円単位のカンマ区切りがある場合も外してください(1,000 → 1000)
上記内容を踏襲し、今回は図6のようなcsvファイル(所有者別商談情報)を取り込んでみたいと思います。
②準備したcsvファイルを、お使いのデバイスに移行します(メールなどで送ると簡単です)。
[ 2 ] データセットの作成
※データセットとはレンズ(レポートと同義)を作成する元となるレコード郡です。
その実態はレポートタイプのようなものではありますが、ここでは便宜上csvデータの格納先という捉え方で差し支えありません。
①デバイス側にて、csvファイルをプレビューすると、図7の様にアプリ指定で開くことが可能できるため、 図8のように Wave Analyticsを指定します。
②はじめてデータセットを作成する場合には、データ型の説明文が表示されます(図9)。
データセットでは、必ず3つのうちのいずれかのデータ型を定義します。
「次へ」をタップすると、データ型定義画面に移動します(図10)。
データ型は、最初の100行から自動判断してセットされるため、異なる場合のみ変更します。
(変更方法は直感的にお分かりになるかと思いますため、割愛させて頂きます)
< 用語解説 >
基準
→レンズで集計したい金額や数量などの数値型です。
年度(2016)などの場合、自動判別の結果「基準」になっている場合がありますが、年度のようなものは集計するものではないため、ディメンションへ変更する必要がある旨、ご留意ください。
ディメンション
→テキスト型となるものです。
レンズでグループ化(サマリー)となるようなものは、ディメンションを選択してください。
日付
→そのまま日付項目となります。
※1行目の項目名が日本語文字列の場合、「_____1」などのように正確に読み込んでくれない場合があります。
私が繰り返し確認したところ、英字であればきちんと読み込んでくれたため、項目名は英字を推奨します。
③図10のインポートをタップすると、図11のような画面となり、データセット作成が完了します。
※このとき、アプリが強制終了した場合はcsvファイルの文字コードがUTF-8に なっていない恐れがあるため、ファイルの見直しをしてください。
[ 3 ] レンズの作成
データセットの取込が終了したため、レンズを作ります。
①さきほど作成したデータセットをタップすると、デフォルトでは「行数」がカウントされた画面が表示されます(図12)。
「調査」アイコンをタップしてください。
②まずは「基準」に商談金額を追加したいため、以下の順番でタップします。
基準 → +基準 → 合計 → 集計したい項目名(例ではAmount)
図13のように、集計項目が追加されます。
③続いてグループ化を行います。「グループ」アイコンをタップしてください。
グループ → +グループ → グループ化したい項目名(例ではOwner)
※更にもう1項目続けてグループ化します(例ではStageName)。
図14のように、グループ化することでグラフ(または表)が自動で追加されます。
④今回のサンプルデータでは商談データを集計していますが、不成立商談が含まれているため、これを集計から除外します。「フィルタ」アイコンをタップしてください。
フィルタ → +フィルタ → フィルタしたい項目名(例ではStageName)
→次の文字列と一致しない(不成立) → OK
図15のように、特定の値を持つデータが集計から除外されました。
⑤好きなグラフを選択しましょう。「ビュー」をタップしてください。
ビュー → 任意のビューを選択(例では積み上げ縦棒 図16)
⑥折角作ったので保存しましょう。「アクション」をタップしてください。
アクション → 別名で保存 → 任意の名前をつけ、別名で保存 をタップ
※次回から「レンズ」タブからいつでも呼び出せます。
なお、デモ環境に作成したレンズやデータセットは、あくまでも実行したデバイス内のみに格納され、他者との共有は出来ないため、ご留意ください。
如何だったでしょうか?
Wave Analyticsに興味はあるけど、どのようなものか知りたい場合には 操作感などを体感できるため、より導入時のイメージがつくのではないでしょうか。
この機会に是非、色々とお試しください。